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「亮のシズオカレンダー」ここだけの話

伝統染物職人の挑戦「お茶染め」

2018-10-26

伝統染物職人の挑戦「お茶染め」

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今回、亮さんがやってきたのは、川沿いの山の斜面に茶畑が広がる静岡市葵区の藁科地区。この地区で育ったお茶の葉を使って染め物をする職人さんのお仕事に向き合ってきました。ここでは一体どんな出会いが待っていたのでしょうか。<放送日:2018年10月20日>

今回、お茶を使ったあるものに向き合う、と聞いた亮さん。

「お茶の花が咲いてる時期だから、花とか関係ない?」

お茶の花のことまで知っているとは、さすが亮さん、お茶に詳しくなりましたねぇ。
この時期になると、ぽってりとした白い花を咲かせるお茶の木ですが、今回は、食用品としてのお茶ではなく、茶葉を使った染め物に注目します。

静岡ならではの「お茶染め」

静岡市には「服織」や「麻機」など、布に関係した地名が多く残っています。
これは、古くからこの地区が木綿などの織物が盛んだったことの名残で、その周辺では織物とともに染色業も発達していました。紺屋町などの名前も、そこからの由来と言われています。

江戸時代から続くこの染色技術と、染色家で人間国宝の芹沢銈介が用いた型染めを融合させた「駿河和染」は、現在、静岡市内の5人の染色家によって受け継がれています。

今回、亮さんが訪れたのは、その中のひとり、鷲巣染物店の代表・鷲巣恭一郎さんの工房・DYER'S BASE。鷲巣さんは大正時代の頃から続く、染物店の5代目です。

「今から16年前に、父がなくなったので、あとを継ぐことになりまして」

その4年後、静岡ならではの素材を活かした「お茶染め」を始めたといいます。

鷲巣さんが染める「お茶染め」は、黒と黄土色のツートンカラーがその特徴。

荒茶の製造工程で出る、食用品としては弾かれてしまったり粉になった茶葉を、無駄にすることなく使う静岡ならではの染めを追求しています。

お茶工場の「農業生産法人 ネクト」さんから、染めに使うためのお茶を仕入れます。

「どうも、うちの鷲巣がお世話になっておりまして」

ネクトの山梨さんと鷲巣さんは中学時代の同級生。
ちなみに一度も同じクラスになったことはないそうですが、和気あいあいとした中の良い雰囲気が伝わってきます。

お茶染めは、このようにして調達したお茶の葉を使って、次のような工程で染めていきいます。

① 染める前日に茶葉を煮出します

80°Cまで温めた後、余熱で一晩かけて、ゆっくり煮出すことで、色落ちの少ない商品に仕上がるといいます

② 煮出したお茶を、手ぬぐいの生地とザルでこしていきます

③ 手ぬぐいを絞る

こすための手ぬぐいも、目が細かいものや粗いものなどを、染める対象物によって変えているそうです

④ 絞ったお茶を寸胴に戻し、火を入れていきます

「お茶の葉を含む食物染料、一般的に言う草木染めは、温度管理がとても重要なんです」

⑤ 温度を55°Cまで上げながら、その途中で商品を入れていきます

「黄色い、優しい色。お茶って勝手にグリーンのイメージがあるから」。確かに、お茶染め=緑色というイメージですが、そこはちょっと違うようです

⑥ 55°Cになったら、いったん商品を取り出し、木酢酸鉄液を入れていきます

木酢酸鉄には鉄分が含まれており、色落ちを防止すると同時に黒く発色させる効果があります

亮さんも、木酢酸鉄液の量をはかります。

「木酢は僕も知ってます。良い香りなんですよ。ウイスキーとかスモーク系の食べ物あるでしょ?あれの匂いですよね。良い香り。ちょっとお腹が空く匂い」

「おつまみに良いですね」
「もう一回匂いたい(笑) 古民家の匂いにも似ている」

⑦ 再び、商品を入れてかき混ぜながら65℃まで上げていきます

生地を絞ったりして刺激を与えることで、ムラを防ぎます

⑧ 火を止め20分経過したら、軽く絞って取り出します

亮さん、今回はTシャツのお茶染めに挑戦しました

⑨ 脱水機にかけ、一日干します

脱水が終わったTシャツは、伸子(しんし)という道具を使って干していきます

⑩ 翌日、①〜⑨までの工程を繰り返して二度染めします

二度染めをした後、染め上がった商品の上に型紙をのせて、柄をつけるための糊(チタン着抜剤)を塗ります。

丸一日乾燥した後、専用の蒸し器で40分ほど蒸すと、柄が黄土色になり完成です。

ていねいにゆっくり、お茶のもっている色素を布に染めていく、鷲巣さんの「お茶染め」。

静岡ならではの染め物として、よりいっそう広がっていくと良いですね。

今週の亮さんは、どこへ向かったのでしょう?

今週の亮さんは、静岡市の駿河区へ。
“スーパー野菜”を育てる元気家族と出会います。

放送は、10月20日(土)朝9:30から。おたのしみに〜

この記事を書いた人

志水竜一

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