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「亮のシズオカレンダー」ここだけの話

春野町の山奥で作られる「竹カバン」

2018-09-28

春野町の山奥で作られる「竹カバン」

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今回、亮さんがやってきたのは、天狗伝説が残る浜松市天竜区の春野町。天竜川水系気田川の支流、杉川上流にある上川地区の、さらに人里離れた一軒家で作られている「竹カバン」と向き合ってきました。ここでは一体どんな出会いが待っていたのでしょうか。<放送日:2018年9月15日>

春野町の「天狗広場」に鎮座する、日本一大きな天狗の面の前でのオープニングトーク。

「今日は、天狗となにか関係あるの?」

もしかしたら何か関係があるのかもしれないですが、今日訪れるのは、手作り竹カバンの工房です。
ちなみに、春野町に伝わる天狗伝説とは、こんなお話だそうす。

春野町にある秋葉山の天狗。正式名を、秋葉山三尺坊大権現と呼びます。

一説によると三尺坊は長野出身のお坊さんで、修行を積んで天狗となったのちに秋葉山に降り立ち、そこでさらに火伏の秘法を習得し、秋葉寺に火伏の神として祀られたそうです。

その後、秋葉寺は廃寺となり、ご神体である三尺坊は袋井市の可睡斎へと移されました。

しかし今もこの春野町では、天狗は土地の人々の身近にいて、常に幸福を授けてくれるありがたい霊神として親しまれているといいます。

今回は、そんな春野町で、注文してから4年待ちの竹カバンづくりのお手伝いをすると聞いた亮さん。

「いかんやろ、そんなもん。4年も待ったのに、金髪のおっさんが手を入れたカバン渡される身にもなってみい」

予約4年待ちの竹鞄とは

こちらが、その竹カバン。
手触りや持ったときの軽やかさ、細工の細かさなど、随所に仕事のていねいさがうかがえます。

今回お邪魔したのは、竹カバンを作り続けて18年の職人、鈴木げんさんの工房「竹の鞄 GEN」。
げんさんは、3年前に浜松市内から、春野町にあるこの古民家に移住してきたそうです。

「自分の家から隣が見えないこと、主要道路から見えないことを条件に探していたら、ここにたどり着きました」
「見えない、見えないって、どんだけ隠れたかったんですか」

げんさんが、隠れたかった理由、それは竹と大いに関係があります。

げんさんが手入れしている竹林は、春野町にいくつかあるといいます

げんさんは、竹カバンを作る材料である竹を、この春野町の山から調達しています。

山から切り出した竹は、適度な長さに切りそろえ、釜で煮て余分な油や汚れを落とします。その後、一ヶ月間天日干ししたものを、竹カバンの材料として使います。

その際に出る、竹を煮る匂いや燃やす時に発生する煙などがあるため、近所迷惑とならないよう、人里離れた場所に工房を構えたんだそうです。

「でも、やっぱり不便でしょ」
「そんなに言うほど、不便ではないですよ」
「不便ですってっ!」
「コンビニだって、1時間くらいですから」
「不便でしょっ!」

その他にも、水道が来ていないので裏の川から水を引くために月に一度は水道の掃除をしなければならなかったり、テレビが映らなかったり、携帯の電波が弱かったりと、不便に思えることはたくさんあるようです。

しかし、げんさんは楽しそう。

「商品を直接お渡ししたいので、送ることはしてないんです。ここに来てもらって、少しずつでき上がっていく商品を見てもらったり、お茶飲んでいってもらうのが楽しいんです」

その人のために、その人の顔を思い浮かべながらひとつづつ手作りする、げんさんの竹カバン。
4年待ちになる理由がじんわりと伝わってきます。

竹に遊ばれる亮さん

この丸い竹から竹ひごを作って、カバンの材料にしていきます

簡単なようで、とても難しい竹ひご作り。
亮さんも、げんさんのやり方を真似しながらチャレンジしますが、どうにもうまくいきません。

まずは、ナタで竹を半分に割っていきます。

「やべぇっ! 食べられた〜」

ナタが竹に食い込んでしまい、うまく半分に割れません。

「やばいっ!竹に殺されるっ。恐ろしいぃ〜」

荒割りと呼ばれる作業では、先程半分に割った竹を、さらに細かく半分ずつに割っていきます。
自分の体に向けてナタを運ぶのは、見た目以上に怖いようです。

「あ、もうこれ、絶対にダメ!」
「竹に遊ばれるとそうなりますね」

きれいに半分に割りたかったのですが、途中から竹やナタが言うことを聞かず、均等に割ることができません。
そんな状態を、竹に遊ばれるというようです。

「竹は細いほう、細いほうへ行こうとするので、細いほうとは逆へ刃を向けるのが大切です」

その後も、割り、削ぎ、面取りなどをして、形を整えていきます。
そして竹ひご作りの最後は、鉄びきという工程。
これらの工程を経て、幅4mm、厚さ0.35mmの竹ひごが完成です。

亮さんも、最後の仕上げ、鉄びきのお手伝い。

「これは、いけるな」

しかし、

「あっ。。。」

残念!
節のある太い部分が引っかかり、竹ひごが切れてしまいました。

しかし、その後の編む作業では、亮さんの本領発揮です。

「見きったぞ、こんなんはパターンや」

竹の節にあたる部分が底になるように配置し、鞄の底部分から編んでいきます。
網代編みは、3本ずつ互い違いに持ち上げ、その下に1本の竹ひごをくぐらせていきます。

「亮さん、すごいですよ。天才ですね!」
「そうなんですよ。節はちぎっちゃいますけどね」

竹職人になるにはまだまだ修行が必要なようですね。

今週の亮さんは、どこへ向かったのでしょう?

今回は、「おいしい米ができた!」と、生産者が思わず喜ぶ姿をイメージして名付けられた新しいブランド米『歓喜の風』の収穫をお手伝いしてきました。

放送は、9月29日(土)朝9:30から。おたのしみに〜

ABOUT 写真と文

志水竜一

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