前回、林業家の片平さんのもと、林業で使う機材のメンテナンスや実際に木を切り倒すお手伝いをした亮さん。今週は、いよいよ亮さん自身がチェーンソーを操り、木の伐採をしてきました。山を守り次の世代へつなげるお仕事の後編、ここではいったいどんな出会いが待っていたのでしょうか。<放送日:2018年6月30日>

ひと通りのお手伝いを終えて、ふもとっぱらに戻ってくると、朝は全くどこにあるのか見当もつかなかった富士山が、その堂々たる姿を現してくれました。
「それにしても、絵に描いたような富士山だね」
狙いはドンピシャ!さすが亮さん
前編で、どんな木を選び、どの方向に倒すのかを学んだ亮さん。
まずは伐採する木を片平さんと選んでいきます。


「めっちゃ細いけど、この間をいきたいです!」
「そうそう、あそこだね、あってます!」
数ある選択肢の中から、まずは安全に切り倒せること、そして切った後の切り出しやすさや運び出しやすさなどを考慮して、倒す方向を決めていきます。
亮さんの選択は、片平さんとも合致していたようです。


どうやら、この正面に木を倒してくことに決めたようです。
「動き出しで、一番手前の枝に当たりますけど、枝先なんでかわしてくれるだろうと」

杉やヒノキの木の先端部分には、葉が生い茂っています。
これらの枝が密集した部分をうまくすり抜けられれば、そのままきれいに倒れてくれるのですが、枝に引っかかったりすると、ロープを掛けて引っ張ったり、道具を使って木を回転させるといったひと手間が必要になります。
「ちょっと狭いけど、いけると思います」
片平さんからお墨付きをいただき、いざ!

倒したい位置と直角になるよう、切れ込みを入れていきます。

「亮さん、完璧です!」
チェーンソーで切れ込みを入れたあとは、反対側からクサビを打ち込み、木が自然に倒れていくのを待ちます。

“カンッ、カンッ、カンッッ”
ハンマーでクサビを打つ音が森のなかにこだまします。
「やっぱり、緊張感がある!」
しばらくすると、
“メリメリメリッ”
少しずつ木が倒れていきます。しかし。。。
「あ、当たっちゃったかな」
懸念していたとおり、一本目の木の枝に引っかかってしまいました。
そこで、今度は引っかかった木の枝を通すため、フェリングレバーという道具を使って木を回していきます。

亮さんが手にしているのがフェリングレバー。
左手の黒い部分がカギ状になっているので、これを木に引っ掛けて回します。

すると、
「行ったーっ!」



「まぁまぁまぁまぁ。でも、やった!倒した!」
一発できれいには倒れてくれませんでしたが、ほぼ、狙ったところに倒すことができました。

「切り倒した木の切り株でも、その後10年から20年は土をしっかり掴んで、山の保全に役立っているんですよ」
木の成長にあわせて木を間引きする。その間引いた木は木材として活用され、さらに、残った根っこも山を守るために生き続ける。
そして、最初に植林してから50年ですべての木を切り倒し、次の木を植林していく。
「自分の植えた木が、下手すると、孫の代にならないと切れないってこともあるんだ」

長い時間をかけて、木を切り出す。
そして、それは自然の力だけに任せると、時に土砂崩れなどの災害を起こしてしまう。
それを防ぐためにも、片平さんたち林業家の日々の手入れが欠かせないんですね。
こんなこともお手伝いしてました
時間の都合で放送されませんでしたが、亮さんはこんなことにも挑戦してました。
まずは、このマシンの操作。

こちらは「グラップル」と呼ばれる重機。
UFOキャッチャーのように、両サイドから木材をつかむ形状のアームを持っています。
この重機の使い手でもある、望月さんにレクチャーしてもらいます。

手元のレバーと足のペダルで、アームを含むすべての動作を行っていきます。
「これ、ドラムやってる人が得意そう。あるいは、ゲームばっかりやってるうちのチビ」
繊細な動きを求められる一方、体力がそれほどなくてもできるといいます。
「これなら、女性でも林業できるね」
こんな素敵なお宅にもお邪魔しました

こちらは、ふもとっぱらにお勤めの松崎さんのご自宅。
山を守ることも大切ですが、木の良さをもっと身近に知ってもらうことも必要との思いから、ふもとっぱら付近のヒノキをふんだんに使って作られた家なんだそうです。

左がご主人の松崎さん。リビングを見下ろせるこのカウンターはお勉強スペースなんですって
「ヒノキの香り! いいですねぇ」
「でも、お風呂はヒノキじゃないんです。。。」

息子さんが手に持っているのは、なんと、スウェーデンの「ハスクバーナ」社製のチェーンソーのおもちゃ。
「将来は、まちがいなく林業家だね」

「ここを水平に切込みを入れる。そんで〜」
って、亮さん、切り倒しちゃダメですよ!
今週の亮さんは、どこへ向かったのでしょう?
西伊豆町仁科地区で、今が収穫の最盛期を迎える、テングサ漁に密着します。

OKマークを出して、準備万端の亮さん。
しかし、その手にはめている軍手が、思わぬ事態を招きます。
「なんやねんっこの軍手っ!腹立つわぁ〜」
ここでは一体どんな出会いが待っていたのでしょうか。
放送は、7月7日(土)朝9:30から。おたのしみに〜
