静岡朝日テレビホーム > 番組 > サタハピ しずおか > 「亮のシズオカレンダー」ここだけの話 > 伝統の技で作られる「新茶」〜後編〜

「亮のシズオカレンダー」ここだけの話

伝統の技で作られる「新茶」〜後編〜

2018-05-11

伝統の技で作られる「新茶」〜後編〜

paper web

静岡茶市場で新茶の初取引に参戦した亮さん。今週はいよいよ製茶問屋で、仕上茶を作る茶商のお仕事をお手伝いしてきました。製品となるお茶の味と香りは、どのように決まっていくのでしょうか。<放送日:2018年5月5日>

茶商の仕事、ダイジェスト

静岡茶市場での取引を終え、製茶問屋の前田幸太郎商店に戻ってきた亮さんと茶師の前田文男さん。

午前10時、一息入れる間もなく早速作業開始です。
ここからは、茶商で行っているお仕事をダイジェストで見ていきましょう。

■まずは「搬入」作業

「ダァーッス!重てぇっ!」。一包30kgあります

早朝に仕入れた荒茶が、早速作業場に届きます。

お茶は、温度や酸素、光、そして水に触れると、品質が劣化してしまいます。
そのため、商品内の酸素を全て抜きとってから窒素を入れ、防湿の木箱に入れて冷蔵庫で大切に保管します。

この日仕入れた荒茶も、冷蔵庫で一時保管します。

「積み方が悪いと崩れちゃいますので気をつけてくださいね」
「崩れて下敷きになっちゃうこともあるんですか?」
「まぁ、お茶と一緒に死ねるなら本望ですよ」
「そんなわけ無いでしょ!」

■続いて「ふるい」作業

荒茶を、とおし機にかけてふるい、大きさを揃えていきます。
そして、残った大きい葉や茎は、手作業でふるいにかけます。

「あー、回んない、おんなじところにいる」

お茶が円を描いて回るように水平に回すのがコツ。
今では機械化が進み、茶業者の中でもこの作業ができない人もいるほど、見た目以上に難しい作業。
かつては、お茶を回せないと一人前じゃない、と言われていたそう。

1時間かけて何度もふるいを繰り返し、大きさを揃えていきます。

■そして「あおり」作業

箕(み)という道具を使って、僅かな不要物を取り除きます。
このひと手間をかけることで、口当たりの良い仕上茶ができるんです。

亮さんも見よう見まねで、あおり作業をしますが、なかなか地味にしんどいようです。

「これ結構、腕に来ますね」
「そうなんですよねぇ。実は、この作業をやってくれる機械が向こうにあるんです」
「やっぱ、あるんかいっ!」

荒茶の量が多くなる二番茶〜三番茶の時期になると機械を使ってあおり作業をするのですが、少量だと機械では上手にあおりができないといいます。
そのため、上級茶が出る今の時期は、昔ながらの手作りの製法で作っていくそうです。

■いよいよ「火入れ」加工

ふるいにかけた荒茶を機械にかけ、棒(茎)を取り除くと、仕上茶の主体・本茶が完成。
ここからいよいよ火入れ加工に入ります。

火入れ加工では、長期保存をさせると同時に、香りや味を立たせるために、そのお茶ごと適した温度を決めていきます。

この機械に本茶を投入し火入れをしていきます

文男さんは、1度の温度の違いにこだわり、そのお茶が一番良い香りになる瞬間を逃しません。
74度から1度きざみで茶葉を取り出し、香り、味を比べていきます。
亮さんも、その1度の違いを見極めます。

74度、75度、76度で火入れした茶葉。その香りはいかに

まずは、74度。
「うん、いい香りになった!」

続いて、75度。
「あれ? 香りが落ちた?」

そして、76度。
「またいい香りに変わった!」

これには文男さんもびっくり。
「亮さん、さすが!嗅覚がすごいですよ!」

さらに、火入れした温度の異なる茶葉にお湯を入れて香りを確認。

文男さん、社長に続き、亮さんも香りをチェック。

「葉っぱだけの時は、74度が一番良いと思ったけど、お湯を淹れたら76度のほうが良い!」
3人とも76度で一致。さすが亮さん。

こうやって、お茶の種類ごとに基準の温度を決定していきます。

■最後に「合組(ごうぐみ)」加工

茶商の最後の大仕事・合組とは、数種類のお茶をブレンドして製品にすること。
今回は、最高級新茶として販売する「きらめき」というお茶のブレンドを、あらかじめ文男さんが考えた3つの配合パターンでサンプルを作り、決定していきます。

#71、#90、#91それぞれのお茶を配合し、A〜Cの3種類を作って比較します。
3種類とも同じ分量の100gになるよう、慎重に配合していきます。

まずは見た目、そして、香りをチェック。

3種類から2種類に絞ったところで、いよいよ味をチェック。

香りや味に迷ったら、自分の服を嗅いで一旦リセット。

そして、選ばれたのは、B。
こうやって、今年の前田幸太郎商店の最高級新茶「きらめき」が決まりました。
いや〜、お疲れ様でした!

「お茶農家さんにはこれまでも2回行ったことがあって、そこですでにお茶ができているから、茶商のところでは何をするの?って思ってたんだけど、今日のお手伝いで、こんなに奥が深いのか、ということがわかりました」

亮さんによると、お茶農家や市場で飲んだお茶は、全体的に単調でシンプル。
それに対して、茶商がブレンドしたお茶は味に深みがあるといいます。

生産農家、茶商、茶市場、あっせん屋などなど、それぞれのお茶のプロが力を出し切って、美味しい静岡のお茶が世界に向けて発信されているんですね。

今週の亮さんは、どこへ向かったのでしょう?

「西洋のやつらは、根っこと栄養を貯めるところが別になってる。日本人にはよくわからん!」

奇妙な形をした西洋野菜に注目する亮さんですが、そんな珍しい野菜を含め、沢山の種類を一つの畑で栽培しているのは、実は理由があったんです。

今週は、富士山の麓、富士宮市で、初夏の「有機野菜」と向き合います。

放送は、5月12日(土)朝9:30から。おたのしみに〜

ページトップへ